君が泣いていたのを知っている。

君が笑えないのを知っている。

けれど君が助けを呼べないのも、知っている。




赤く腫れた瞳を必死に隠そうとして、そのせいで逆にバレた君は、嘘っぽい作り笑いで誤魔化そうとする。
笑えないなら、笑わなくていいのに。
泣きたいなら、泣いてもいいのに。

君が、強がるから。

君が、助けを拒絶するから。

本当はもう、支え無しでは立てない程に弱り果てているのに。


・・・・僕は、君に手を貸せない。





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貴方が助けてくれようとしていることを知っている。

手を差し伸べようとしてくれていることを知っている。

けれど貴方には私を助けられないことも、知っている。




貴方の視線はいつも私に在って、声をかけようと開かれた唇は、しかし何も紡ぐことなく再び閉じられる。
言えないなら、言わなくていいのに。
もどかしければ、離れてもいいのに。

貴方が、近寄り過ぎるから。

貴方が、真剣な瞳で私を見るから。

貴方が誠実なあまり、私の為に全てを投げ出してしまうのが怖くて。


・・・・私は、貴方に助けを求められない。





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こんな話を知っている?

それはどこにでもある日常。
つまらない笑い話。

二人の人と、一つのパイ。

お互いにそれが食べたいんだけど、お互いに譲り合うから
なかなかパイは食べられない。


そうこうしているうちに日が過ぎて

パイは腐って食べられなくなってしまう。








どちらかが先に手を伸ばせば良かったのに。

伸ばす手は、どちらでも良かったのに。



答えが見つからなければ、とりあえず手を伸ばせばいい。
もしもその手が相手と重なったら、パイは二つに分ければいい。

自分の気持ちを表に出せぬまま、パイが腐っていくのを眺めるよりは。





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君が助けを望むなら。

貴方が助けてくれるなら。














イラナイモノは、捨ててしまって。

君を、貴方を、苦しめないセカイに。













渡り廊下の端から手を伸ばす



端から見ればなんと滑稽で、愚かしいことか。





打ってる途中で日付が変わってしまった。

(2007 / 8 / 3 By RUI)
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