1 凍てつくは影 逃れ得ぬ生贄
捧ぐは哄笑 手向けし彼岸花
陽よ月を喰らえ 闇に包まれし月蝕の夜
ついぞ零るる憂愁の毒 鳥篭の中で折れた翼
舞い落つるは悲涙の欠片 涙で刻むは水時計
狂月夜に踊る蝶 硝子細工の夢を添え
我が郷を想いし 哀れなる夜狐よ
いざ集え 水の楽園へ
千の夢を謳いて 宵闇をも覆い尽くそうぞ
燈籠流しに神を率いて いずれも鮮やかなる華に染まれ
2 朽ち逝くは夢 殺め合う現実
仰ぐは十六夜 歪みし銀の船
陽よ月を燃やせ 忘れ去られし重罪の罰
探し求むは悠久の歌 傷跡の上に重む傷
蜘蛛の絃で貴方を縛る 決して逃れは出来ぬよう
狂月夜に眠る鬼 輪廻夢想を禍と知り
我が郷を忘れし 愚かなる夜狐よ
いざ集え 夜の帝國へ
千の夢を抱えて 咎人を隠し喰らおうぞ
燈籠流しに神を道連れ いずれも華やかなる闇に染まれ
3 罪に溺るる泡沫の蛇 陽炎の中に君を見る
渇望するは禁忌の遊戯 双眸無くした目隠し鬼
狂月夜に掛けし罠 不可視の夜を醒ましやる
我が郷を憂いし 罪深き夜狐よ
いざ集え 終の廃街へ
千の嘘を紡ぎて 失いし夢を弔おう
燈籠流しに神を欺き いずれも密やかなる罪に染まれ